軽貨物の運転日報とは?法令上は「業務の記録」。書き方と保存期間【テンプレートあり】
軽貨物(黒ナンバー)でいう運転日報は、法令上は「業務の記録」にあたり1年間の保存義務があります。点呼記録簿との違い、記録する項目、紙とアプリの使い分けを現役ドライバーが整理。無料テンプレートも案内します。
公開日: 2026年7月20日
「軽貨物の運転日報のテンプレートが欲しい」
そう思って探し始めると、少し混乱します。検索すると緑ナンバー(一般貨物)向けの様式が大量に出てくる一方で、軽貨物向けのものがなかなか見つからないからです。
理由はシンプルで、軽貨物の法令に「運転日報」という名前の書類は出てこないからです。
この記事では、そのあたりの用語の整理から始めて、実際に何を記録すればいいのかを現場目線でまとめます。
まず用語の整理: 「運転日報」=法令上の「業務の記録」
2025年4月から軽貨物(黒ナンバー)に義務付けられた記録のうち、日々の運行にあたるものは、法令上**「業務の記録」**と呼ばれます。
現場では慣習的に「運転日報」「日報」と呼ばれることが多く、指しているものはほぼ同じです。ただ、テンプレートを探したり、監査に備えて書類をそろえたりするときは、「業務の記録」として必要な内容を満たしているかで判断するのが確実です。
名前が一致していないだけで中身は同じ、というケースがほとんどなので、「運転日報という様式が見つからない」と焦る必要はありません。
記録の種類と保存期間を混同しない
軽貨物で求められる記録は1種類ではありません。そして保存期間が種類ごとに違います。ここは混同しやすいので表にします。
| 記録の種類 | 保存期間 |
|---|---|
| 点呼の記録(点呼記録簿) | 1年間 |
| 業務の記録(いわゆる運転日報) | 1年間 |
| 事故の記録 | 3年間 |
事故の記録だけ3年です。事故は頻度が低いぶん、いざというときに「もう捨ててしまった」となりがちなので、保管場所を分けておくことをおすすめします。
また、点呼記録簿があれば運転日報は不要、ということにはなりません。両者は目的が違います。
- 点呼の記録 … 乗務前後の酒気帯び確認、健康状態、指示事項など「人の状態」の確認
- 業務の記録 … 実際に行った業務の内容
どちらか一方では足りない、と考えておくのが安全です。点呼記録簿の書き方については点呼記録簿の書き方と記入例にまとめています。
1人親方でも必要です
「従業員がいないから記録はいらないのでは」という質問をよく受けますが、必要です。
国土交通省のリーフレットには、一人で事業を行っている場合でも自ら安全対策を実施する必要がある、とはっきり書かれています。記録の義務も同じで、1人親方だから免除される、という規定はありません。
自分で走って、自分で点呼して、自分で記録する。最初は妙な感じがしますが、慣れると単なる日課になります。
紙でも、スマホでもいい
もうひとつ、よくある誤解がこれです。
記録は紙でなければならない、ということはありません。 国土交通省の資料に、各種の記録・保存はパソコンやスマートフォンで実施可能と明記されています。
つまり、選択肢は3つあります。
| 方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 紙(印刷して手書き) | まず始めたい人、台数が少ない人 | 保管場所が必要。1年分たまると意外とかさばる |
| Excel・スプレッドシート | PC作業に慣れている人 | 車内での入力がしにくい。あとでまとめて書くと形骸化しやすい |
| スマホアプリ | 毎日確実に残したい人、複数台の人 | サービス選定が必要 |
私自身は紙から始めて、途中でアプリに移行しました。理由は単純で、紙は「あとで書く」が起きやすいからです。その日のうちに書かないと記憶があいまいになり、記録としての意味が薄れていきます。
とはいえ、いきなりアプリを選ぶ必要はありません。まず記録する習慣をつけることのほうが先です。
まずはテンプレートから始める
記録をこれから始めるなら、印刷して使える様式を用意しています。
こちらは点呼記録用ですが、記録を習慣にする最初の一歩としては十分に機能します。まず1週間、毎日書いてみてください。それだけで「何が面倒か」がはっきりします。
そのうえで、業務の記録・点呼・日常点検・事故記録をまとめて残したい、保存期間の管理まで自動でやりたい、ということであれば、軽貨物専用に作った記録アプリKEI録を検討してみてください。私自身が現場で毎日使うために作ったものです。
まとめ
- 軽貨物でいう「運転日報」は、法令上は業務の記録
- 業務の記録と点呼の記録は別物。両方必要
- 保存期間は業務の記録と点呼の記録が1年、事故の記録が3年
- 1人親方でも記録は必要
- 紙でもスマホでもよい。パソコン・スマートフォンでの記録が認められている
制度対応でいちばん難しいのは、始めることではなく続けることです。様式を完璧にそろえるより、今日から何かしら記録を残し始めるほうが、結果的に早くゴールに着きます。
なお、業務の記録は安全管理者の選任とセットで語られることが多い制度です。選任や届出の期限については期限を一覧で整理した記事をご確認ください。
出典
- 国土交通省「貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました」リーフレット: https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001768524.pdf
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法令の適用は事業者ごとの状況により異なるため、最終的な判断は国土交通省の一次情報や所轄の運輸支局でご確認ください。
よくあるご質問
軽貨物に「運転日報」という名前の法定書類はありますか?
法令上の名称は「業務の記録」です。現場では慣習的に運転日報と呼ばれることが多く、指しているものはほぼ同じですが、書類を用意するときは「業務の記録」として必要な内容を満たしているかで確認するのが確実です。
業務の記録の保存期間はどのくらいですか?
1年間です。あわせて点呼の記録も1年間、事故の記録は3年間の保存が必要とされています。保存期間が種類ごとに違う点に注意してください。
点呼記録簿があれば、運転日報は不要ですか?
別のものなので、両方必要です。点呼記録は乗務前後の酒気帯び確認や健康状態などを記録するもの、業務の記録は実際に行った業務の内容を記録するものです。目的が異なります。
手書きでないとだめですか?パソコンやスマホでもいいですか?
パソコンやスマートフォンでの記録が認められています。国土交通省の資料に、各種の記録・保存はパソコンやスマートフォンで実施可能と明記されています。紙にこだわる必要はありません。
1人親方でも業務の記録は必要ですか?
必要です。従業員の有無は関係ありません。国土交通省のリーフレットにも、一人で事業を行っている場合でも自ら安全対策を実施する必要があると明記されています。