FOLIO 11 KEI録 / Column

軽貨物の運転者等台帳の書き方|必要項目と3年保存の起算点

軽貨物の運転者等台帳は、法人だけでなく1人親方も対象です。法定の5区分、写真・免許証欄の扱い、初めて運行した日の確認、指導・適性診断の記入、退職後の3年保存を公式資料で整理。紙・Excelで管理するときの確認手順も解説します。

公開日: 2026年9月7日

「点呼記録や日報はあるけれど、運転者等台帳は何を書けばよいのか」。軽貨物の書類を整えるとき、名前が似た一般貨物の様式を見つけて、欄の多さに迷うことがあります。

軽貨物の台帳は、運転する人ごとに必要な情報と指導・適性診断の状況をまとめるものです。法人だけでなく、自分で運転する1人親方も対象になります。 日々の運行を残す日報とは、役割が違います。

この記事では、2026年9月7日に確認した貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の6と国土交通省の資料を基に、四輪以上の軽自動車を使う事業者向けの書き方を整理します。

軽貨物の運転者等台帳は誰の分を作る?

法律上の名称は「貨物軽自動車運転者等台帳」です。対象となる事業者は、運転者等ごとに作成し、その人が所属する営業所に備え置きます。

自分だけで仕事をしている場合は、自分の分を用意します。複数の運転者がいる場合は、車両ごとに1枚ではなく、人ごとに情報を追える構成にします。同じ車を交替で運転していても、指導や受診の履歴はそれぞれ異なるためです。

委託先が独立した運送事業者である場合などは、契約上の呼び方だけで作成主体を決めず、誰の事業として運行しているかを確認してください。判断が分かれるときは、所轄の運輸支局へ具体的な運行体制を示して確認するのが確実です。

台帳は、人に関する情報をまとめる書類です。点呼記録簿や運転日報を作っていることだけで、台帳の代わりになるわけではありません。

台帳に必要な記載事項は5区分

第9条の6第1項には、次の5区分が定められています。一般的な説明資料では省略されていることがありますが、現行条文の本人情報には住所も含まれます。

区分記載する情報記入時の確認点
作成情報作成番号・作成年月日同じ番号を複数人に使わない運用にする
事業者氏名または名称屋号だけで曖昧にせず、届出内容と照合する
本人情報運転者等の氏名・住所・生年月日古い住所や別人の情報が残っていないか確認する
運行の開始初めて運行の業務に従事した年月日作成日や安全管理者の選任日と混同しない
指導・受診特別な指導の実施状況・適性診断の受診状況予定と実施済みを分け、根拠となる記録にたどれるようにする

表の右列は、記入漏れを防ぐための運用上の提案です。法定項目に独自の必須条件を付け加えたものではありません。

作成番号と日付は、後から探せるようにする

番号の付け方は、社内で一貫していれば管理しやすくなります。例えば「D-001」のような番号を使い、台帳と指導記録のファイル名を対応させる方法があります。これは管理方法の例で、国が指定する番号形式ではありません。

作成年月日は、実際に台帳を作成した日を記入します。過去から在籍する人の台帳を今整える場合も、作成日を過去の日付に見せかけず、運行開始日とは別に整理しましょう。

初めて運行の業務に従事した日は、分かる資料で確認する

安全管理者講習の受講日、車両を購入した日、契約を締結した日は、それだけでは運行開始日の証明になりません。過去の日報、配車の記録、本人の経歴確認など、実際の運行が分かる資料と照合します。

記録が見つからない場合に、便宜上「月の1日」などを入れるのは避けてください。何を確認でき、何が確認できていないかを整理し、記載方法を所轄へ相談します。他社での乗務歴がある場合も、単に自社への入社日だけを転記せず、経歴を確認して扱いを判断します。

指導・適性診断の欄は「受けた」で終わらせない

特別な指導と適性診断は、同じ行事ではありません。台帳では二つを分け、内容や種類、実施日・受診日、確認した資料の保存先が分かるようにすると、次の担当者が確認しやすくなります。

例えば、次のように補助欄を設ける方法があります。

  • 特別な指導:実施日、対象区分、内容、指導記録の管理番号
  • 適性診断:種類、受診日、実施機関、結果資料の保存先
  • 確認メモ:確認者、確認日、未確認事項

これは管理のための記入例です。「予約済み」は実施済みではないので、予定欄と実績欄を分けます。免除や経過措置に該当すると考える場合も、空欄のまま済ませず、根拠を確認して対応状況を管理しましょう。

なお、採用した人が全員、自動的に初任運転者として同じ指導・診断の対象になるわけではありません。 過去の乗務歴や受診歴、該当する区分によって確認事項が異なります。安全管理者の選任・講習と、運転者への特別な指導・適性診断も分けて扱います。

制度全体の入口は貨物軽自動車安全管理者の解説、詳しい対象と実施時期は国土交通省の最新の案内を確認してください。

写真や免許証の欄は、一般貨物の台帳と分けて考える

一般貨物等の運転者等台帳は、第9条の5で写真貼付や運転免許に関する情報などが定められています。一方、軽貨物の第9条の6は、前述の5区分です。

したがって、一般貨物用の様式にある欄を見て、「軽貨物も写真がないと台帳の法定要件を満たさない」と一律にはいえません。ただし、台帳の法定記載項目にないことと、安全管理上の確認が不要なことは別です。運転する車両に対応した有効な免許などは、実際の運行管理として確認します。

既存の社内様式を使う場合は、軽貨物の必須項目が揃っているかを先に確認し、それ以外の欄は自社の管理目的を明確にします。個人情報を集めるほど、閲覧できる人や保存先の管理も必要になります。

保存期間の3年は、台帳の作成日からではない

運転者が転任・退職などの理由で運転者でなくなった場合は、その年月日と理由を台帳に直ちに記載し、3年間保存します。

「作成から3年経過したので、現在も運転している人の台帳を処分する」という運用にはなりません。 在籍中は、営業所に備え置く台帳として情報を管理し、運転者でなくなったときに終了日と理由を記録します。

ここでは法令上の最低限の保存を説明しています。保存期間を過ぎた後の扱いは、係争・事故対応などで保全が必要な資料の有無や、社内の個人情報管理方針も確認して決めてください。

紙・Excelで運用するときの確認手順

国土交通省FAQでは、紙での記録・保存と、パソコンやスマートフォンを利用した電磁的方法のどちらも認められています。

紙なら、人ごとの台帳と関連資料を結び付けます。Excelなら、一人分の基本情報と、追記していく指導・受診履歴を分けると扱いやすくなります。どちらでも、次の順番で確認すると抜けを見つけやすくなります。

  1. 現在の運転者と台帳の一覧が一致しているか照合する。
  2. 5区分が埋まっているか、未確認の情報を完了扱いにしていないか確認する。
  3. 指導・受診の実施記録にたどれるか確認する。
  4. 転任・退職した人の終了日と理由が記載されているか確認する。
  5. 担当者が不在でも営業所で確認でき、紛失時に復元できる保存方法にする。

日々の点呼や日報と、人ごとの台帳をひとまとめに考えると、誰が何を確認するのかが曖昧になります。まずは保存場所と更新担当を決め、採用、住所変更、受診、退職といった変更があったときに更新する流れを作りましょう。

複数人の記録管理全体は法人で軽貨物を運営するときの記録管理でも整理しています。日々の記録管理を見直す際は、KEI録の案内も参照してください。自社に合う運用の相談は法人のお問い合わせ窓口で受け付けています。

出典

以下は2026年9月7日に確認しました。法定項目は説明資料の要約だけでなく現行条文を優先しています。

執筆: 坂本(現役軽貨物ドライバー・配車管理者・KEI録開発者)

本コラムは、現場で毎日法定記録を作成している当事者が執筆しています。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法令の適用は事業者ごとの状況により異なるため、最終的な判断は国土交通省の一次情報や所轄の運輸支局でご確認ください。

よくあるご質問

1人親方にも運転者等台帳は必要ですか?

四輪以上の軽自動車を使う貨物軽自動車運送事業者が対象で、法人や従業員のいる事業者に限られません。自分が運転する1人親方も、自分の台帳を作成して営業所に備え置きます。

軽貨物の台帳には写真や免許証番号が必須ですか?

貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の6の法定記載項目に、写真貼付や免許証番号の欄はありません。一般貨物等の第9条の5とは項目が異なります。免許の確認自体が不要という意味ではありません。

台帳は作成してから3年たてば捨ててよいですか?

いいえ。在籍中は備え置きます。転任・退職などで運転者でなくなった場合に、その年月日と理由を直ちに記載し、3年間保存する規定です。作成日から一律に3年ではありません。

紙ではなくExcelやスマートフォンで保存できますか?

国土交通省FAQでは、書面と電磁的方法のどちらも認めています。営業所で対象者の台帳を確認できるよう、保存場所、閲覧権限、バックアップの方法を決めて運用しましょう。

Next Step

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